海老原諭ウェブサイト

医療法人グループ会計における資本連結手続―医療法人が他の医療法人に資金拠出をした場合の処理―

掲載誌 和光経済(和光大学社会経済研究所)
巻・号 第52巻第1号
開始・終了頁 1-10頁
発行日 2019年12月25日
論文掲載サイト https://wako.repo.nii.ac.jp/records/4743

目次

  1. はじめに
  2. 他の医療法人に対する資本拠出の是非
  3. 個別財務諸表における資金拠出および純資産の会計処理
    • 受入側医療法人で行われる会計処理
    • 拠出側医療法人で行われる会計処理
  4. 他の医療法人に対して資金拠出を行った場合の資本連結手続
    • 受入側医療法人が有する資産および負債の時価評価
    • 投資と純資産の相殺消去
    • 医療法人会計における支配の考え方(補論)
  5. おわりに

要旨

本研究では、医療法人を中心として医療・福祉サービスを提供しているグループ全体を報告単位とした連結財務諸表を作成するにあたって必要となる資本連結手続の方法について検討した。会計上、純資産として表示される項目は、法人が準拠すべき法令の定めによって規定されるが、医療法人については、法人財産に対する社員の持分請求権が認められているケースと認められていないケース、さらに後者については、基金制度が採用されているケースとそうでないケースがあり、そのそれぞれの状況に見合った処理を考える必要がある。このため、医療法人のみを連結した財務諸表であっても、その資本連結の取り扱いについては、企業とは異なる配慮が必要となる。

参考文献